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運転するときは/DSC&TCS
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4
4WD スイッチを ON にして走行したと
きに、4WD表示灯が点灯しないときは
システムの異常が考えられます。ス
イッチをOFF(2WD)に切り替えてマ
ツダ販売店に行き、点検を受けてくだ
さい。DSC&TCSは、ABS、ブレーキアシスト、
TCS(トラクションコントロールシステ
ム)、DSC(ダイナミック・スタビリティ・
コントロール)などを総合的に制御して、
車両の走行安定性を補助しようとするシ
ステムです。
■ ABS(アンチロックブレーキ
システム)
4-51ページをお読みください。
■ ブレーキアシスト
ブレーキ踏力を補助する装置です。急ブ
レーキをかけたときに、ABS の効果が十
分に発揮されるまでの時間を短縮しま
す。
しっかりとブレーキペダルを踏まない
と、ブレーキアシストは作動しません。
ブレーキアシストは、本来のブレーキ
性能を超えた制御をする装置ではあり
ません。
■TCS(トラクションコントロー
ルシステム)
滑りやすい路面での発進時や加速時に起
こる駆動輪の過度の空転を、ブレーキ制
御およびエンジン出力制御により防ぎ、
適切な駆動力を確保しようとする補助機
能です。 停車中に4WDスイッチをONにしたと
きは、4WD 表示灯が消灯していても、
走行したときに点灯すれば正常です。
DSC&TCS
DSC&TCS装備車の取扱い
タイプ別装備
000-取扱説明書.book 47 ページ 2017年3月31日 金曜日 午後3時9分
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■ DSC(ダイナミック・スタビ
リティ・コントロール)
急激なハンドル操作をしたり、滑りやす
い路面で旋回したりするときの車の横滑
りなどを抑制することで、車両の走行安
定性を補助しようとする機能です。
DSC&TCS作動表示灯
65P40080
メーターパネル内にあります。
→ 1-12ページ(警告灯・表示灯) 常に周囲の状況を確認して、安全運転
に努めてください。DSC&TCS によ
る制御には限界があります。
次のことをお守りください。
守らないと DSC&TCS が正常に作動
しなくなったり、誤作動につながっ
たりするおそれがあります。
・タイヤの空気圧を指定空気圧に調
整する
→ 8-5ページ(タイヤの空気圧)
・タイヤ交換時は指定のサイズで、
4 輪ともサイズ、銘柄、トレッド
パターン(溝模様)が同一のもの
を装着する
・著しく摩耗状態の異なるタイヤを
使用しない
・サスペンションやブレーキを改造
しない(車高やサスペンションの
硬さ変更など)
・サスペンションやブレーキを著し
く劣化した状態で走行しない
・エンジンを改造しない(マフラー
の改造など)
・LSD(リミテッドスリップデフ)
を装着するなどの改造をしない
タイヤチェーンや応急用スペアタイ
ヤを装着したときなどには、DSC&
TCS が正常に作動しない場合があり
ます。
次のような操作をすると、一時的に
モーター音やカチッという音が聞こ
えることがあります。これはシステ
ムをチェックしている音で異常では
ありません。
・エンジンスイッチを にしたと
き
・ブレーキペダルを踏んだ状態でエ
ンジンスイッチを にし、最初
にブレーキペダルから足を離した
とき
・エンジンをかけたとき
・エンジンをかけ、最初の発進時
エンジン回転が高いときにDSC&TCS
が作動すると、エンジン回転の変動や
車体の振動を感じることがあります
が、異常ではありません。
ON
ON
000-取扱説明書.book 48 ページ 2017年3月31日 金曜日 午後3時9分
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運転するときは/DSC&TCS
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DSC&TCS の電子制御システムに異常
があると、エンジンスイッチが
のときに点灯します。点灯中は次のよ
うになりますので、マツダ販売店で点
検を受けてください。
・次の機能が作動しません。
・TCS(トラクションコントロール
システム)
・DSC(ダイナミック・スタビリ
ティ・コントロール)
・レーダーブレーキサポート
→ 4-56 ページ(レーダーブレー
キサポート(RBS))
・誤発進抑制機能
→ 4-61ページ
(誤発進抑制機能)
・ヒルホールドコントロールも作動し
ない場合があります。
→ 4-55ページ
(ヒルホールドコントロール)
・ABSは作動します。
・ブレーキアシストは、故障状況に
よっては作動しない場合がありま
す。
次のような状況になると、0.2秒間隔で
小刻みに点滅します。
・発進時や加速時に TCS(トラクショ
ンコントロールシステム)が作動し
ている
・急ハンドル時や旋回時にDSC(ダイ
ナミック・スタビリティ・コント
ロール)が作動している
システムが正常な場合はエンジンス
イッチを にしたときに、約2秒間
点灯したあと消灯します。
DSC&TCS OFFスイッチ
次のようなときは、メーター内の
DSC&TCS OFF表示灯が点灯するまで
DSC&TCS OFFスイッチを押し続けて
ください。TCS(トラクションコント
ロールシステム)およびDSC(ダイナ
ミック・スタビリティ・コントロール)
が作動しなくなります。
・スタックからの脱出などの場合。
TCS(トラクションコントロールシ
ステム)が脱出に適さないときがあ
ります。
次のような操作をすると、DSC&TCS
OFF表示灯が消灯し、TCS(トラクショ
ンコントロールシステム)およびDSC
(ダイナミック・スタビリティ・コント
ロール)が作動可能な状態にもどりま
す。
・もう一度DSC&TCS OFFスイッチを
押す
・車速が約30 km/hを超えたとき
・一度エンジンを止め、再始動する
ON
ON
小刻みに点滅したときは、滑りやすい
路面で、車がスタックまたは横滑りし
やすい状態になっています。とくに慎
重に運転してください。
点灯中は TCS(トラクションコント
ロールシステム)および DSC(ダイ
ナミック・スタビリティ・コントロー
ル)は作動しませんが、ABSは使用す
ることができます。
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運転するときは/DSC&TCS
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64P40120
上図のインパネは代表例です。お車の
タイプにより異なります。
DSC&TCS OFF表示灯
65P40100
メーターパネル内にあります。
→ 1-12ページ(警告灯・表示灯)
エンジンスイッチが のときに、
DSC&TCS OFFスイッチを長押しする
と点灯します。
・点灯中は、TCS(トラクションコン
トロールシステム)およびDSC(ダ
イナミック・スタビリティ・コント
ロール)は作動しません。
システムが正常な場合はエンジンス
イッチを にしたときに、約2秒間
点灯したあと消灯します。
安全のため、DSC&TCS OFF スイッ
チを操作しても、ABSおよびブレーキ
アシストは作動停止の状態になりま
せん。
車速が30 km/hを超えるとTCS(トラ
クションコントロールシステム)およ
びDSC(ダイナミック・スタビリティ・
コントロール)は作動可能な状態に自
動復帰するため、スイッチを操作して
も一時的な停止しかできません。
レーザーレーダー装備車はDSC&TCS
OFFスイッチの位置が作動停止(OFF)
のとき、次の機能も停止します。(※)
・レーダーブレーキサポート(RBS)
・誤発進抑制機能
※ 作動(ON)/作動停止(OFF)切
替え時、ブザーが鳴ります。
→ 4-64ページ
(レーダーブレーキサポート
(RBS)OFFスイッチ)
ON
ON
000-取扱説明書.book 50 ページ 2017年3月31日 金曜日 午後3時9分
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運転するときは/DSC&TCS
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4
ABS(アンチロックブレーキ
システム)とは
ブレーキをかけたときのタイヤのロック
を自動的に防止することで、走行安定性
や操舵性を確保しようとする装置です。
制動距離について
ABSは制動距離を短くするものではあり
ません。
常に周囲の状況を確認して、安全運
転に努めてください。ABS による制
御には限界があります。
ABS は、タイヤのグリップ限界を超
えたり、ハイドロプレーニング現象
(※)が起こったりした場合は効果
を発揮できません。
※雨天の高速走行などで、タイヤと
路面の間に水膜が発生し、接地力
を失ってしまう現象
ABS
ABS装備車
急ブレーキをかけたときや、滑りや
すい路面でブレーキをかけたときの
制動距離は、ABS がついていない車
と同等です。
次のようなときは、ABS のついてい
ない車より制動距離が長くなること
があります。スピードを控えめにし
て、車間距離を十分にとってくださ
い。
・凸凹道や石だたみなどの悪路
・じゃり道、新雪路
・道路の継ぎ目などの段差を乗り越
えるとき
・マンホールなど鉄板の上を通過す
るとき
・タイヤチェーンの装着時
急ブレーキ時には、ポンピングブ
レーキ(※)をせずに、ブレーキペ
ダルを思い切り強く踏み込んでくだ
さい。ポンピングブレーキをする
と、制動距離が長くなります。
※ブレーキペダルを数回に分けて小
刻みに踏むブレーキのかけかた
路面の状況によりますが、約10 km/h
以下ではABSが作動しません。
000-取扱説明書.book 51 ページ 2017年3月31日 金曜日 午後3時9分
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運転するときは/DSC&TCS
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ABS作動時の振動や音
ブレーキペダルを強く踏むと、ブレーキ
ペダル、ハンドル、車体の小刻みな振動
を感じることがあります。これはABSの
作動によるもので、異常ではありませ
ん。ブレーキペダルをそのまま強く踏み
続けてください。
タイヤについて
ABS は、こんな場合にもブ
レーキをかけると作動するこ
とがあります
滑りやすい路面を走行しているとき
80J1040
80J1041
80J1042
エンジンをかけて発進した直後に、一
時的にモーター音などが聞こえること
があります。これはシステムをチェッ
クしている音で、異常ではありません。
ABSは、各車輪の回転速度をセンサー
で検出しています。タイヤ交換時は、
指定のサイズで、4輪ともサイズ、メー
カー、銘柄、トレッドパターン(溝模
様)が同一のものを装着してください。
また、著しく摩耗状態の異なるタイヤ
を使用しないでください。正確な回転
速度が検出できなくなって ABS が正
常に機能しなくなり、思わぬ事故につ
ながるおそれがあります。
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000-取扱説明書.book 52 ページ 2017年3月31日 金曜日 午後3時9分
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運転するときは/DSC&TCS
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道路の継ぎ目などの段差を乗り越える
とき
80J1043
80J1044
悪路を走行しているとき
80J1045
80J1046
ABS警告灯
81M40171
メーターパネル内にあります。
ABS の電子制御システムに異常がある
と、エンジンスイッチが のとき
に点灯します。
→ 1-12ページ(警告灯・表示灯)
¬
~
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運転するときは/DSC&TCS
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エマージェンシーストップシグナル(ESS)
ESS とは Emergency Stop Signal(エマージェンシーストップシグナル)の略です。
ESSは次の条件をすべてみたしているときに、非常点滅表示灯を通常よりも速く点滅さ
せることで、後続車へ注意を促す機能です。またその際、メーター内の方向指示器表示
灯もあわせて点滅します。
ブレーキペダルを勢いよく踏み込んだときの車速が約55 km/h以上のとき
ABSが作動しているとき、またはABSが作動するような急ブレーキのとき
64P40260
ESSは次の状態になると機能が停止します。
車速が十分に低下したとき
ブレーキペダルを離したとき
ABSの作動が終了したとき
非常点滅表示灯スイッチの位置を にしたとき
ESS は走行中の急ブレーキ時に、後続車に注意を促すことで追突を軽減する機能
で、すべての追突を防ぐものではありません。減速や停車するときは不要な急ブ
レーキはさけ、常に安全運転に努めてください。
ESSの機能を停止させることはできません。
ESSの機能よりも、非常点滅表示灯スイッチの操作が優先されます。
次のような路面を走行中に、一瞬しか ABS が作動しなかったときは、ESS は作動し
ないことがあります。
・滑りやすい路面を走行しているとき
・道路の継ぎ目などの段差を乗り越えるとき
タイプ別装備
ON
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